京都下鴨神社の「蹴鞠(けまり)初め」
2008年 01月 05日
以前から一度この蹴鞠(けまり)を見てみたいと思っていたのでカメラを持って行ってきました。
2時間前に下鴨神社に着いたのですが、すでにけまりが行われる「鞠場(まりば)」は人がいっぱいで写真を撮れそうな場所はありませんでした。
やむを得ず2千円の有料席で撮ることにしましたが、こちらももう最前列には人がいて割り込む隙間はありません(笑)
で、やっと2列目に場所を取って前の人の頭と頭の間からの撮影になりました。
「けまり」は古くに中国から仏教などといっしょに伝えられたそうで、以後、中国などでは廃れたものの日本では上は天皇から下は庶民にいたるまでずっと愛されてきたスポーツです。
いろいろな作法などがあるようですが、詳しい説明は省略させていただきます。
写真に付けた文章はいただいたパンフレットから引用させていただきました。
使用機材は α700 + バリオゾナー16-80/3.5+4.5 AF80-200/2.8G
いつものように、画像をクリックしていただくともう少し大きくてスッキリした画像を見ていただけます。
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開始2時間前にはすでにこの人だかりでした。

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鞠を蹴る「鞠足(まりあし)」さんたちが揃いました。

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この方は今回唯一女性(それも若い)の鞠足さんでした。
「すり足」で場の中央に鞠を持って行きます。

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蹴り合いを始める前に全員が順に「小鞠(こまり)」と言って軽く2、3度蹴って足馴らしをします。

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「アリ」「ヤア」「オウ」という独特の掛け声とともに鹿のバックスキンで作られた鞠を8人の鞠足さん(鞠を蹴る人)たちが蹴り合います。
これはそれぞれ神様の名前だそうです。

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勝負ごとではないので勝ち負けはありません。
鞠を地面に落とさずに蹴り続けるのはかなり難しそうで、10回くらい続くと拍手が起こります。

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1回の試技(これを座といいます)は15~20分くらいです。
別に時間に決まりはないそうで適当なところで止めるそうです。
この日は鞠足が交代しながら3回(3座)で約1時間試技が行われました。

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沓(くつ)も靴下(足袋)と靴を縫い合わせた特殊な鞠沓です。

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鞠は鹿の皮2枚を張り合わせて作られており、紙風船のように中は空になっていて、蹴るとへこむのでその都度ポンポンと手で叩いて空気を入れて膨らませていました。
ポンポンしているところを撮っとけばよかった(笑)
鞠の一部が蹴られてへこんでいるのが見えるでしょうか?
紙風船を打つとへこむのと同じですね。

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8名のうち4名が主となって蹴り、他の4名は「つめ」といって外れた鞠を蹴り戻すのが役目です。
「つめ」は地面に落ちた鞠を拾っても自分で蹴ることはできず、主になる4名の誰かに渡します。

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鞠を蹴るときもその姿勢が大切で、腰や膝を曲げることなく、足の高さも足裏が見えない程度に上げ、総て端正優雅の趣がなければならないとされています。
この写真でも鞠の上部がへこんでいるのがよく分かりますね。

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蹴る時の基本姿勢と動作の習得には「吊り鞠」といって、軒から吊るした鞠を蹴って練習します。
昔は「吊り鞠3年」といって基本ができない間は鞠場に出してもらえなかったそうです。

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勢い余って思わず尻餅をついてしまいました(笑)

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鞠が自分のところへ来たときは、3足といって、まずよそから来た鞠を受け止める「受け鞠」、次いで自分の鞠を蹴り上げて3度目に他に渡す鞠を蹴るのが作法です。
これが「受け鞠」です。

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一つの試技(一座)が終了しました。
入場の時と同じように作法にのっとって決められた順に退場します。

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最後までご覧いただきありがとうございました。


